江戸時代に置かれた銀貨幣鋳造所(銀座)に地名を由来する中央区銀座は、明治時代に文明開化を象徴する町として銀座煉瓦街が建設されて栄えてきました。現在の銀座8丁目付近で芸妓能楽師に因んで称された金春(こんぱる)芸者で賑わった幕末からの花柳界が、明治政府高官などの贔屓により新橋花街として江戸時代以来の柳橋(現・台東区)と共に「柳新二橋」と称し発展し、昭和中期の最盛期を経て今も中央区築地にかけて10軒以上の料亭と数十人の芸者を擁しています。東京を代表する地域ブランドのショッピング街として、大繁華街として、また夜の高級な社交の場として今に至っており、各所に老舗の飲食店や和洋菓子店などが数多く点在しています。
1895年創業、日本の洋食のスタンダードを数多く作った 煉瓦亭
銀座駅から徒歩3分ほど、大通りの裏手にある 煉瓦亭。その名の通り煉瓦造りのノスタルジックな雰囲気を持つレストランです。1895年(明治28年)に、フランス料理店として創業されました。
煉瓦亭といえば、今の洋食の定番を作ったレストランであるとも言われています。それぞれの料理に発祥は諸説ありであるものの、例えばオムライス、カキフライ、エビフライ、ハヤシライス、カツレツ等々…。それに加えて、洋食とライスと共に提供した元祖であったり、カツレツにデミグラスソースでなくウスターソースをかけたり、付け合わせをキャベツにしたり、といった元祖でもあり、洋食の歴史を形作ってきたお店と言っても過言ではありません。
(繰り返しになりますが、各料理には他の発祥説もあり、あくまでその1つが煉瓦亭さんとなります)
という煉瓦亭さんの外観。そう、煉瓦が印象的なお店なのです!この店舗は1964年(昭和39年)に建てられたもの。 店舗はB1、1F、2F、3F(和室)からなります。今回はB1Fへ。階段脇にある古いレジスターがカッコよいのですよ。
メニューが運ばれてきます。一番上に輝くのは、元祖ポークカツレツ。表面は肉とシーフードメニューです。
そして裏面、スープ、アピタイザー、サンドウイッチ、サラダ、ご飯系、パスタ系、卵系と並びます。このメニュー構成、明治時代から殆ど変わっていないらしいですよ(カレー等の一部メニューが大正時代から)
まずはコーンスープから。笑みがこぼれる、昔ながらの味。いやぁ、好きだなぁ。
そしてカキフライが入場です。シーズンに伺えるなんてこのラッキーさよ。タルタルソースも超美味い!そして元祖ポークカツレツの入場です。トンカツにキャベツの歴史は、ここから始まった!元々デミグラスソースをかけて食べていたそうですが、ウスターソースで提供をした元祖が煉瓦亭さん。そのソースに合う&手間を省くために生まれたのがキャベツの付け合わせなのです(コックさんが日清戦争の徴兵のため手間を省く必要があったそう)。
トンカツは塩派ですが、カツレツならソース派です(謎w。オイリーな衣にウスターソース、ややジャンクな感じがあって最高っす。
そしてトリを飾るのが、元祖オムライス!元々賄いのメニューだったそうですが、お客さんに食べたいと言われ提供したら大好評に。その結果メニュー化されたそうです。
ちなみに、我々のイメージするオムライスとはちょっとイメージが違い、ご飯と卵を混ぜて焼き上げたご飯となります。一般的なオムライスより優しい味がして、かなり好きな味。食べた後から、人への接し方が当社比30%で優しくなります。
こちらは2015年撮影の古い写真となりますが、ハヤシライスのお写真。デミグラスソースをベースにしたハヤシライスを考案したのは煉瓦亭が発祥となります。
(ハヤシライス=丸善さんが元祖の印象が強いですが、煉瓦亭さん曰く、丸善さんのハヤシライス誕生とはストーリーがやや違うということのよう。)
煉瓦亭さんは、地方から友達が来る際によく連れていくお店です。銀座という分かりやすいロケーションに加え、元祖があること、そして何よりどれを食べても美味しいし、数人でシェアすればある程度リーズナブルであることもポイント高いです。
もし煉瓦亭さんに行かれるのであれば、4人ぐらいで元祖系をすべてオーダーし食べ尽くす感じがお薦めです。歴史と文化を食べてる感じもして、満足感高いですよ!
———煉瓦亭 基本情報———-
〇創業年 1895年創業 / 明治28年創業
〇営業時間
・平日 11:15 – 15:00, 16:40 – 21:00
・土曜日・祝日 11:15 – 15:00, 16:40 – 20:45
※日曜日 定休日
〇住所
東京都中央区銀座3-5-16
(公式サイト)⇒煉瓦亭
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