富山県の東部に位置する「上市町」は、標高2,999mを誇る北アルプスの霊峰・剱岳(つるぎだけ)を仰ぎ見る、豊かな自然と深い歴史が息づくまちです。「上市」という町名は、古くからの「市場の発展」に由来します。剱岳への山岳信仰が隆盛を極める中、法音寺の門前を中心に「三日市」が開かれ、やがてその上手(東側)に立った「上の市(かみのいち)」が大きく賑わいを見せたことが、現在の町名へと繋がりました。剱岳の険しくも美しい峰々、歴史を刻む寺社や遺跡、そして独自の食文化と近代産業。山岳信仰のダイナミズムと、水と大地がもたらす豊かな恵みが、一つのまちの中に重層的に広がる富山県東部の魅力あふれる地域です。
大正以前から続く門前街の老舗、映画『剱岳 点の記』ロケ地の木造3階建 料理旅館 大岩館 (おおいわかん)
大岩のバス停から徒歩すぐの場所、中新川郡上市町大岩に店を構える 料理旅館 大岩館 。真言密宗大本山・大岩山日石寺の門前町で、参拝客を迎えてきた料理旅館です。お店の方によれば少なくとも大正時代以前から続く老舗旅館とのことです。木造3階建の佇まいは、映画『剱岳 点の記』のロケ地として使われ、撮影クルーや役者さんたちの休憩所としても使われました。名物は、冷たい湧水で締めることで強いコシを生む「大岩そうめん」。この地域には、室町時代から戦国時代にかけて僧兵がいた場所であり、上市の命名の由来である「市」が立っていたことから、播州の手延べそうめんが伝わっていたのではないかとのこと。明治から昭和にかけ地域が観光地化した際には、最盛期で全てのお店合わせて1日5000杯以上出たとされる地域の名物となっています。著書「日本老舗食堂大全」でご紹介しているお店です。
という、大岩館さんの裏手側です。元々大型バスで乗り入れるお店であったことから裏口には団体入り口と駐車場があるんです。
こっちが正面です。見てください、この立派な3階建ての建築物を。
店内の様子です。テーブル席中心の靴を脱がずに手軽に入れるフロアと、靴を脱いで上がるフロアがあり、今回は予約したのでこちらのエリアでご飯をいただきました。
ちょっとお金持ちの親戚の家に来たような気持ちです。こんな立派な欄間のある親戚はいないけれど。
今回は山菜セットを予約して伺いました。見てください、この豪華さ。
そこに天ぷら、筍ご飯、大岩そうめんが。もう最高以外の言葉が出てこない。
真上から撮るとこんな感じです。
山菜の天ぷらが美味しいと感じられると、大人になった感あるよね。
筍ご飯はあっさり目で、何杯でもいけそうだった。
そして大岩そうめん。このぶっかけスタイルで食べるそうめんって、ほんと美味しいと思うのよね。
お店の方から明治時代の地図的なものを見せてもらいました。
明治31年5月のものとのこと。ここに大岩館さんも違う名前で載っているそう。前の経営者の時なのか、同じ経営者なのかわからず、今は「少なくとも大正期から」と創業年を伝えているとのことでした。
この時は書籍の撮影だったこともあり、他のお部屋や旅館として使っていた場所を見せてもらえました。
この階段とかたまらないよね。
ベランダ部分にあった大岩館の岩の文字です。
別の文字も。
店舗から見る大岩山日石寺です。この角度で見るのもカッコ良い。
さらに上へ。3階も見せて頂きましたが、昔ながらの贅沢な旅館な感じがあってめっちゃ素敵でした。
ということで建物も料理も最高な大岩館さんでした。で、ここからは2024年訪問時の記事です。
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という、大岩館の外観です。めちゃくちゃカッコ良い。見切れてますが3階建てです。
店内に入った場所には、メニュー表の看板がありました。名物の大岩そうめんだけでなく、岩魚や山菜といった近隣の名物や、白玉だんご・くずきりといった甘味まで食べられます。
お店の様子です。なんだろう、めっちゃおもてなしをされているような雰囲気だ。
こちらがメニュー表です。そうめんがメインですが、冬には温めんもあります。
オーダーしてから到着を待つ間、飾られている記事を読んでいました。建築探訪という記事に取り上げられた際のものがこちらです。
大岩とそうめんのつながりや、その美味しさの解説もありました。
で、オーダーしたのがこちら、大岩そうめんです。麺線の綺麗さよ…!
同行者は温めんを頼んでいました。富山らしい渦巻き蒲鉾・赤巻きが入っていたり、こっちも美味しそうだな。

大岩そうめん、実は食べるの初めてでした。キリッと冷やされた麺に癒される上品で丁寧な味がしました。好きだなぁ、この素麺。夏になるとみんなが食べにくるという理由が良く分かりました。わざわざ食べにくる価値ある食べ物だなぁ。
