日本一綺麗な仲卸・万松青果はメディア出演多数 / 京都 京都市下京区 1906年創業 (明治39年)

京都市下京(しもぎょう)区は、JR等の京都駅周辺の京都駅ビル・京都タワー等を中心に商業施設が集積し、四条通の四条烏丸(烏丸通)から四条河原町(河原町通、下京区・中京区)までは市内有数の繁華街となっています。平安末期頃に二条通をほぼ境にして平安京の南側を下辺(しものわたり・しもわたり)、北側を上辺(かみのわたり・かみわたり)と称し、中世にそれぞれ下京・上京となって、下京は商業地区で民衆の町でした。西本願寺(世界遺産)・東本願寺があり、五条大橋・京都鉄道博物館(旧梅小路蒸気機関車館)等の観光名所も多く、区内には老舗の飲食店・和菓子店・食品店などが何軒も残っています。

1906年創業、カンブリア宮殿にも出演した 万松青果

梅小路京都西駅の徒歩7分ほど、京都中央卸売市場青果1号棟内にある 万松青果。1906年(明治39年)に中路實吉氏が烏丸仏光寺にて青果問屋・万松を開業したことが始まりです。現在は4代目の中路和宏氏が代表取締役会長を務めており、家族主義・年功序列・リベート廃止・ノルマ無し等の斬新な経営手法で、売り上げを伸ばしている仲卸店です。カンブリア宮殿等にも取り上げられた有名企業さんですね。今回は京都100年企業研究会さんの勉強会で、万松青果さんにお話お伺いしました。

という、万松青果さんがある京都中央卸売市場青果1号棟です。略して京果、ということですかね。

青果市場内に万松青果さんがあります。日本一綺麗な仲卸、と名乗るだけあって整理整頓されています(綺麗、には、リベート無し等の意味も含まれているかと思います)。

こちら別の角度です。決して大きくない店内に、たくさんの野菜・果物が並んでいました。

これから春!みたいなタイミングでお伺いしたので、山菜も並んでいましたよ。

アスパラも美味しそうだった…!

今回は勉強会だったので、スライドを使って教えて頂きました。こちらは一般的な青果物の流通についてご説明頂いている図です。

ここからは簡単にメモです。

▼野菜の値段は誰が決める?
・仲卸がせりで買った値段が野菜の相場
千円でレタスを仕入れたら、1000円が価格のベースとなる。
農家さんは卸に持ち込んだ時点では、「いくらで売れるか」は分からない。
(仲卸が値を付けた時点で価格が決まる、という意味)

▼仲卸のマージンは高い?
・最近、農家さんから直接物を買うサービスが流行っている。
それらは10%前半から後半のマージンがかかる。
卸は全部足しても12.5%と、実はそれらのサービスより安い。
(ただし、全ての商品を扱えるわけではない。)

▼仲卸の機能とは?
・日本の流通の60%は、農協・卸売り・仲卸を通るルート
・上述した通りの「価格を決める」機能
(≒青果物の評価をする機能)
・小分けして販売する機能
(卸から大口で仕入れて、小口で販売。
ルート配送で配送料が安いのも強み)
・安定供給機能
(A産地がダメな時にB産地のものを出すことができる)

▼仲卸の方から感じる最近のトレンドのこと
・有機栽培が美味しいとされることが多いが、
青果物の美味しさは、有機かどうかよりも新鮮かどうかだと感じる。
・農家さんからの産直サービスは、とても良い傾向だと思うが、
20%近いマージンと、個別でかかる流通費用を考えた時に、
どこまで消費者に寄り添ったサービスになれるのだろうか。
・仲卸には仲卸の良いところ、産直サービスには産直サービスの良いところがある。何かしら良いところを組み合わせる落とし所はないものか。

などなど、知らない話がものすごく沢山あってとても勉強になりました。当事者からのお話には、学ぶことが沢山ありますね。

以下、万松青果さんで扱われている野菜たちです。勉強会中にお出し頂いたトマト。勉強会後にお伺いした料亭で出されたお野菜。こちら万松青果さんから仕入れられているそうです。 こちらのすき焼きのお野菜も。店名は後ほど追記します。

ネット文化で育った人間としては、「中間マージンがかかる存在=悪」と考えがちなのですが、長い期間を経てブラッシュアップされた仕組みには、やっぱり存在理由があるし、当たり前ですがメリットがあるから残っているのだと改めて思いました。とても勉強になる楽しい滞在となりました。

———万松青果 基本情報———-
〇創業年 1906年創業 / 明治39年創業
〇営業時間
・ 京都中央卸売市場に準ずる
〇住所
京都府京都市下京区朱雀分木町28-1 京都中央卸売市場青果1号棟93号
(公式サイト)⇒ 万松青果 |HOME| – 日本一綺麗な仲卸 万松青果株式会社

1件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です