小松屋商店は、芋から蒟蒻を作る数少ないお店 / 愛知 犬山市 慶応年間創業 (1865-1868年)

愛知県最北端(旧尾張・美濃国境)の犬山市は、1954年(昭和29年)に丹羽郡犬山町及び4村が合併して発足し、犬山城(国宝天守、2004年まで個人所有)や(野外)博物館明治村で知られている、“犬”が付く全国唯一の自治体です。地名由来には、犬使用狩りに最適だったとの説・平安期の丹羽郡小野郷が山間部で小野山転訛説・いぬいやま(針鋼神社が大縣神社の戌亥の方角)転訛説があり、江戸時代は幕府が藩として認めず尾張藩の一部で(1868年に犬山藩成立)、平岩氏を経て成瀬氏が居城していました。からくり人形・大山焼(陶器)・犬山提灯の伝統工芸や五平餅・げんこつ飴・大山茶・蜂蜜・蒟蒻・犬山ローレライ麦酒等が特産・名物で、市内には老舗の飲食店・和菓子店・食品店・割烹旅館などが残っています。

慶応年間創業、芋からこんにゃくを作り続ける 小松屋商店

犬山口駅から徒歩2分、犬山駅から徒歩15分ほどの場所にある 小松屋商店。慶応年間(18885-1868年)に創業された、蒟蒻と心太を製造販売する専門店です。こんにゃくは古くから食べられている食べ物ですが、小松屋商店さん曰く「粉状態の蒟蒻芋を仕入れて作るのが一般的」なのだそう。ですが、小松屋商店さんでは、蒟蒻芋を仕入れ手練りで作る手間隙をかけた昔ながらの蒟蒻作りを守り続けていらっしゃいます。

という、小松屋商店さんの外観。手づくり生芋蒟蒻、とある生芋とあるのが、芋から作っているに込めた名称だそうです。

こちらはこんにゃくを当て字にしたものだそう。独創的w。

店内に入りました。こんな感じで蒟蒻が並んでいます。
いやぁ、良いですねぇ。棚側にはところてんも置いてありました。

2022年度に食の3重丸に選ばれた栄誉あるこんにゃく、ところてんになります。
お店の方とお話ししていたら、「今のこんにゃく屋さんで芋から作っているお店はほぼない。うちぐらいじゃないかな」とおっしゃっていて、お店の奥から蒟蒻芋を持ってきて下さいました。群馬県の農場で採れたものだそうです。また蒟蒻を固めるのに使うカルシウムは、貝殻からとった天然由来のものだそう。五代目の方までは機械作りだったそうですが、現在の6代目のご主人の時代に機械製造を一切やめ、尾張地方に伝承された練り技・波返しという技本を使った手練り・手作りにも取られ、原材料も生芋・貝殻カルシウムに変えたそうです。
とあるお取り寄せカタログに掲載写真です。右側に書かれていますが、貝殻カルシウムを使って白滝を作れるのは全国唯一なのだそう。

ということで、3品ほど購入しました。その1が生芋こんにゃくです。

袋の裏側です。こんにゃく芋、貝殻カルシウムと書いてありますね。

そして、さしみこんにゃく。 最後に羽釜炊きところてん。黒蜜付きの方を買っています。 蒟蒻は煮物的なものに使いました。

お店の方に「皆さんが食べている蒟蒻は、蒟蒻芋に由来する臭みがある状態で、その蒟蒻を食べ慣れていると、うちの蒟蒻は違和感があるかもしれない」と言われました。おっしゃる通り、臭みがないとてもあっさりした味で、そのまま食べると、やや物足りない、と感じるのかも。その分、味が滲みやすくなっているので、料理に合わせると抜群に美味しかったです。これが本当のこんにゃくの味なのか!とちょっとびっくり。
こんにゃくでこれだけこだわっているお店と初めて出会ったので、色々とお話しをお伺いしたのですが、店主さんは既に高齢で跡を継がれる方は見つかっていないそう。弟子になりたい方は来ても、手作りのしんどさに耐えられなくなってしまうのだとか。この味が継承されていくことを願っています…。
そんな小松屋商店さんの蒟蒻は、公式サイトからお取り寄せできますよ。

—— 小松屋商店 基本情報———-
〇創業年  慶応年間創業 (1865-1868年)
〇営業時間
・9:00-17:00 (土日は10:30より営業)
※水曜日 定休日
〇住所
愛知県犬山市大字犬山字南古券149
(公式サイト)⇒ 犬山市の手造りこんにゃくと釜炊きところ天の小松屋商店

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