旧下谷区は現在の台東区上野地区を中心として、江戸時代には商人の町として栄えた地域。1947年 (昭和22年)に旧浅草区と合併して台東区の西半分となりました。下谷の地名は上野台地(忍ケ岡)等の高台の下であることが由来します。台東区下谷は旧下谷地域の北部に立地しており昭和通り沿いに開けた町で、町内の真源寺(入谷鬼子母神)は境内で毎年七夕前後に開催される入谷朝顔市で知られています。この町にも老舗の飲食店などが残っているんですよ。
1918年創業、カツカレーのルーツ河金丼を提供する 河金
鶯谷駅から徒歩7分ほど、入谷駅から徒歩2分ほどの場所にある 河金。1918年(大正7年)に、洋食の屋台として創業されました。創業者のお名前が河野金太郎氏で、その名から「河金」と名付けられました。1929年(昭和4年)に浅草に店舗を開き、その後金太郎氏の二人の息子がお店を継ぎます。兄が浅草店を継ぎ(廃業)、弟の信之助氏が入谷に店舗を開業されます。そちらを信之助氏のお子さんの兄・純一さんが継いだのがこの後ご紹介する台東区下谷の河金さんとなります。弟の謙二氏は暖簾分けで浅草・千束にお店を開いており、そちらについても合わせてご紹介致します。
という河金さん。昔ながらの定食店のようなルックス。入口では猫が門番のように座っておりましたw。
せっかくなので猫をアップで。 店内に入ります。こちらがメニュー。河金丼(カツカレー)と書かれているものは、屋台開業当時からのメニューで、カツカレーの1つのルーツとされています(カツカレー元祖のお店は複数あり、諸説ある1つのルーツとなります)。 壁にもたくさん貼られていました。左下の五十匁(もんめ)と書かれているのは肉の量の話で、腹ペコヤング様に七十匁サイズもあります。 店内には雑誌記事も貼られていました。お客さんの要望でカツレツにカレーをあけ、ドンで出したのがカツカレーの始まりと言われています。浅草に本店があった際には芸能人も来ていたのだとか。ルイ・アームストロングも公演中に食べたとありますね。すごいなw。 で、こちらが河金丼です。ご飯の上にキャベツを乗せ、その上にカツ&カレーです。素朴ながら美味しい。 100円増しの豚汁もオーダー。ほっこりする味でした。
せっかくなので浅草・千束にある弟さんの暖簾分け店にも伺いました。 こちらはノボリにデカデカと元祖かつカレー河金丼の文字。そして匁(もんめ)で数えるのは変わらずで、100匁のがっつりメニュー・わらじとんかつもあります。 こちらがメニュー表です。50、70、100、150匁から選べます。そし河金丼も。 ということで頼みました。河金丼です。 入谷のお店と違いお重に入っていました。と、カレーの具材の肉の量が多い気がする。 セットメニューはお味噌汁でした。
カツカレーの元祖は諸説あり、このサイトでもご紹介したお店ですと1921年創業・新宿の王ろじさんもその1つですね。他にはジャイアンツの千葉選手のオーダーで作ったとされる銀座スミスさん、キッチン南海さん等々複数説あります。どのお店も現存しているのが嬉しいですね。河金丼は今回初めて食べましたが、なんだか落ち着ける味でした。この味がいつまでも残りますように…。
—— 河金 (入谷) 基本情報———-
〇創業年 1918年創業 / 大正7年創業
〇営業時間
・11:00~14:00
・17:00~18:00過ぎ
※土曜日 定休日
〇住所
東京都台東区下谷2-3-15
(食べログ)⇒ 河金 (かわきん) – 入谷/とんかつ | 食べログ
—— 河金 (千束) 基本情報———-
〇創業年 1918年創業 / 大正7年創業
〇営業時間
・11:00~20:00
※土曜日 定休日
〇住所
東京都台東区浅草5-16-11
(食べログ)⇒ 河金 千束店 – 浅草(つくばEXP)/とんかつ | 食べログ