ちん里う本店の、梅干 1年・3年・5年漬食べ比べセット / 神奈川 小田原 1871年創業 (明治4年)

戦国時代の後北条氏や江戸時代の小田原藩の城下町として栄え、およそ400年前に東海道五十三次中で最大の規模であった9番目の小田原宿が設けられて賑わった神奈川県小田原市。古名の「小由留木」(こゆるぎ、「淘陵」とも表記)の草書体を読み間違えた説や、原野を開墾して小田となったとの由来説があります。西湘地域の核であり永らく箱根観光の拠点でもあって、豊かな自然の中で海山の産物に恵まれ、蒲鉾や梅干などの特産品で全国に知られており、各所に老舗の飲食店・和菓子店・食品店などが点在しています。

1871年創業、料亭 枕流亭(ちんりゅうてい)から漬物・梅干し専門店と転身した ちん里う本店

小田原駅目の前の駅ビル1Fにお店を構える ちん里う本店。ちん里うさんの歴史は、小田原藩主に創業者の小峯門弥氏が招かれたことから始まります。彼は1871年(明治4年)に、料亭  枕流亭(ちんりゅうてい)を創業され、2代目の方の時に、欄干橋(現 十字町)に漬物・梅干し店を立ち上げられました。その際に、名前を ちん里う(ちんりう)とされたそうです。
※小田原城近くには欄干橋 ちん里うさんがあり、同様の歴史をお持ちです。どちらも創業家と同じ苗字の小峯家が運営されておりますので、どこかで2つに分かれたと考えるのが良いのかもしれません。こちらのページに少し歴史が載っております。

小田原は梅干しが古くから作られてきた土地です。元々は北条早雲氏の時代に、梅干の効能と腐敗防止作用に注目し、城下に梅干し作りを奨励したことに始まるそう。戦時中には、紫蘇に巻いた汚れない梅干し(落としてしまっても紫蘇を外せば梅干しが食べられる)として重宝されたのだとか。そんな歴史を持つ小田原は、今も梅の木が育てられ、梅干しを作り続けていらっしゃるお店が残っています。

こちらが店舗外観、というか看板。人通りが多い場所なので正面から撮れませんでした。看板にある「日本老舗百店会」が気になって調べたものの、あまり情報が出てこず…。

ちん里う本店さんは、梅干し専門店といった感じで、かなり種類の梅干を販売されておりました。

気になったのはこちらの「十郎三兄弟」という商品。ちん里うさんのメイン商品である十郎梅のセットになります。こちらの名称は、歌舞伎などで知られる仇討物語の曾我十郎祐成から採っているのでしょうか。となると、十郎三兄弟の商品名も、十郎祐成と五郎時致の曾我兄弟に因んで付けられたのかと思われます。小田原の歴史に根差したネーミングですね。

その十郎三兄弟という商品ですが、三兄弟=1年漬、3年漬、5年漬の3種類の十郎梅が入ったセットです。十郎梅は肉厚なのが特徴である、小田原 曽我梅林を代表する銘梅です(こちらのページに詳しい説明あり)。

ということで買ってきました。こんな感じで3つの仕切りに分けてそれぞれ3粒ずつ入っています。

横から見ると、こんな感じでシール張ってあります。二十五年産=5年漬けですね。

こちらが二十七年産の3年漬け。5年漬けと比べると少し色が明るいかな。

そして二十九年産。一番梅干しっぽい色してますね。

見るからに酸っぱそうですが、こんな感じです。

果肉部分を少しずつ千切って味比べしてみました。漬ける年数が長いほどしょっぱさが抜け、個人的に好みの味に。更に長くつけるともっと美味しいのかしら。

ちん里う本店さんは、梅干、梅酒、赤紫蘇といった梅から連想されやすい商品から、梅を使ったお菓子(羊羹、甘露煮、ブラウニー、ガレット等)まで、梅を使った幅広い商品展開をされています。梅を軸に、一途に商品開発を続けている姿がカッコよいですね。今回は梅干目的で伺いましたが、今度はお菓子系買ってみたいなぁ。

———ちん里う本店  基本情報———-
〇創業年 1871年創業 / 明治4年創業
〇営業時間
9:00~18:00
※元旦 休日
〇住所
神奈川県小田原市栄町1-2-1 小田原駅前ビル
(公式サイト)⇒ちん里う本店 老舗梅専門店(梅干販売・梅のお菓子通販)

 

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