富山県西部の小矢部(おやべ)市は、かつては越中国礪波郡に属し、江戸時代には加賀藩領で、石動(いするぎ)地区が今石動城の城下町として、また北陸街道の宿場町として栄えました。旧加賀国に接する西端の倶利伽羅峠(くりからとうげ)は源平合戦での源義仲(木曾義仲)軍と平維盛軍との戦いで知られています。1976~1992年(昭和51~平成4年)にかけて、主に欧州有名建築物を模した保育所・小学校・中学校・公民館等が市内に35か所建設され“メルヘンの街”として知られコスプレ撮影背景地として人気でしたが、老朽化・市の財政事情等により徐々に解体されつつあります。工業都市化も進み、石川県金沢市のベッドタウンでもある市内には老舗の飲食店・和菓子店なども残っています。
1920年創業、農村振興から生まれ”廃業蔵の味”も引き継ぐ旭醤油味噌(あさひしょうゆみそ)
下後亟のバス停から徒歩10分ほど、能越自動車道・小矢部東ICから車で5分前後の場所、小矢部市水島に蔵を構える 旭醤油味噌。1920年(大正9年)、旧・西砺波郡水島村(現、小矢部市水島)の有志が「農村に工業を起こす」構想のもと立ち上げた醤油蔵です。資本金1万5千円・株主28名で発足し、創業初期には諸味を石川県津幡町の中川醤油店から買い入れて営業を始めたと記録されています。理念は「美味求真(びみきゅうしん)」です。1924年(大正13年)の全国醤油品評会で特選受賞、1927年(昭和2年)に味噌製造を開始し社名を「旭醤油味噌株式会社」へ変更、2019年(令和元年)には創業100年を迎えました。近年の特徴は、廃業する蔵元が増える中で地元で親しまれてきた味を残すという取り組みです。石崎醸造場「キッコウイシ」、沖田醸造「ヒヤクホ醤油」、富山醤油「ヤマドリ」、北野醤油「ヤマキタ」など、賛同した同業者のブランドを引き継ぎ、製造・販売を続けています。
という、旭醤油さんのアサヒあまくちしょうゆを購入しました。
ロゴ部分をアップで。「富山県となみ散居村の風土と清流庄川の伏流水に育まれた、アサヒしょうゆをどうぞご賞味下さい。」と書かれています。富山に詳しい人だと風景が浮かんでくる描写ですね。
ボトル裏側です。混合の醤油で、甘味や調味料がブレンドされています。
取り出した図です。お、結構甘め。これはこれで美味しい。

旭醤油味噌さんは「農村に工業を起こす」発想で生まれています。醤油屋さんの歴史を色々調べましたが、こういった創業理由は初めてです。そんな想いから生まれた醤油が評価され、100年以上にわたり地域の味を守り続けているのが素晴らしいです。また、廃業する蔵元のブランドを引き継ぐという、地域の味を残す取り組みも素敵です。工場見学もできるそうなので、いつか訪ねたい!
