昭和初期に旧上京区から分かれて生まれた京都市左京区は、京都から北陸への玄関口として古くから複数の“鯖街道”(海産物運送道)が走っていました。北部は林業が盛んな山間地で田畑も多く、南部は文教地区や住宅地です。東山慈照寺(銀閣寺)・南禅寺・下鴨神社・平安神宮や北部の鞍馬寺・貴船神社・三千院・寂光院・修学院離宮等の社寺・名所、公園、美術館等が数多く点在し多くの観光客を集めています。区内各所に老舗の飲食店・和菓子店・食品店などが何軒も残っています。
1856年創業、1種類の餡に1種類の菓子を作る 阿闍梨餅本舗 満月
出町柳駅から徒歩7分ほどの場所にある、阿闍梨餅本舗 京菓子司 満月。1856年(安政3年)に、出町橋近くに創業された和菓子店です。幕末時には争乱を避け郷里に帰られていたそうですが、明治初年に再び出町柳に出店、戦時中の強制疎開で現在の地に移られ、今も営業を続けていらっしゃいます。
という阿闍梨餅本舗 京菓子司 満月さんの外観はこちら。歴史をダイレクトに感じられる雰囲気あるお店です。
店舗に入りました。ディスプレイには阿闍梨餅が沢山並んでいます。阿闍梨とはサンスクリット語で高僧を意味する言葉。阿闍梨餅は、比叡山さんで修行を行う阿闍梨が被る笠の形を模してつくられたお菓子なのだそう。彼らは修行中の飢えを餅を食べてしのいだことにも由来しているそうです。
こちらは本店と金閣寺店のみで曜日限定で販売されている満月。今回はこちらも購入しました。
で、こちらが阿闍梨餅です。半生の生地に餡が入っています。
そんな阿闍梨餅、笠の形をした原型を撮影するのを忘れていました…。ので、二つにちぎった姿の写真でご了承ください…。
こちらが店舗・曜日限定の満月。
白餡が入ったお饅頭。皮の部分が洋菓子風に作られているので、和菓子とは思えない味。これ、すごく好き。阿闍梨餅本舗 京菓子司 満月さんは、阿闍梨餅・満月・京納言・最中の4種類のお菓子を販売されていらっしゃいます。こちらの4つのお菓子、それぞれ別の餡を使って作り分けられているそう。それは「1種類の餡に1種類の菓子しかつくらない」という基本方針があるからなのだとか。そんな話を読んでしまうと、4種類全部食べたくなりますね。また訪問しなくては!
—— 阿闍梨餅本舗 京菓子司 満月 本店 基本情報———-
〇創業年 1856年創業 / 安政3年創業
〇営業時間
9:00~18:00
※水曜日不定休
〇住所
京都府京都市左京区鞠小路通今出川上ル
(公式ページ)⇒ 阿闍梨餅本舗 京菓子司 -満月-