山梨県の南西部から南部にかけての南巨摩(みなみこま)郡は1878年(明治11年)発足時の郡域から拡大され、現在は早川町・身延町・南部町・富士川(ふじかわ)町の4町が属し“峡南(きょうなん)”とも称されています。巨摩の由来には、多くの御牧(みまき、古代朝廷直轄牧場)での良馬(駒)産出説や高句麗系渡来人に因む“高麗”転訛説があり、江戸時代には甲府藩領から幕府直轄領化されました。北部の富士川町は郡内最大人口の町で、西には櫛形山がそびえ、東には富士川が流れ、急流で知られる鰍沢は江戸時代には米・塩等の舟運で栄えました。雨畑硯・柚子・椎茸・ラフランス・穀類・味噌・清酒・柚子ワイン・紫蘇ジュース・栗せんべい等の特産品・名物があります。郡内には老舗の飲食店・和菓子店・食品店・酒蔵・旅館などが残っています。
1790年創業、与謝野晶子の歌から「春鶯囀」を受け継ぐ 萬屋醸造店 (よろずやじょうぞうてん)
「追分」バス停から徒歩1分ほど、JR身延線・市川大門駅から車で5分前後の場所、南巨摩郡富士川町に蔵を構える 萬屋醸造店。1790年(寛政2年)、初代当主・萬屋八五郎氏が、富士川舟運で栄えた増穂の地に蔵を開いた老舗酒蔵です。創業当初の酒銘は、屋号「萬屋」の「万」を分解した「一」と「力」に由来する「一力正宗」。その後、1933年(昭和8年)に与謝野鉄幹・晶子夫妻が蔵を訪れ、晶子が「法隆寺など行く如し 甲斐の御酒 春鶯囀のかもさるゝ蔵」と詠んだことをきっかけに、六代目当主・中込旻氏が酒銘を「春鶯囀(しゅんのうてん)」へ改めたと伝えられています。「春鶯囀」は中国・唐の時代の雅楽の曲名でもあり、鶯のさえずりにちなんだ雅やかな響きが特徴です。1952年に株式会社萬屋醸造店へ法人化、1976年に醸造用糖類の使用を完全停止し三増酒を廃止、1978年に当時としては珍しい純米吟醸酒「春鶯囀」を発売しました。2001年に築150年以上の旧味噌蔵を改装し、酒蔵ギャラリー「六斎」を開設。かつては酒だけでなく味噌・醤油・みりんも手がけた”よろずや”の蔵で、現在は地元産の酒米と水を大切にしながら、「幸せにそっと寄り添うお酒」を掲げて醸し続けています。2025年には令和6酒造年度全国新酒鑑評会で、同社の純米大吟醸酒が山梨県唯一の金賞を受賞しました。
という、萬屋醸造店さんの春鶯囀 さらりを購入しました。
ラベル部分をアップで。春鶯囀、めちゃくちゃカッコ良いけれど、読み方知らないと戸惑いますね。
原材料です。純米酒なので、米・米麹のみ。精米歩合は65%です。
ラベルに「ほんのりさらっと甘い」と書かれている通り、傾向としては甘口寄りですが、キリッとした飲み口のため、甘さはラベル通りにさらっと流れる感じです。心地よい味の余韻のため、食前でも食中でも行けそうな万能タイプの日本酒だなと感じました。同社は築150年以上の旧味噌蔵を改装した酒蔵ギャラリー「六斎」を開設されているので、早く遊びに行きたいなぁと思っております。
店舗情報
店舗名:株式会社萬屋醸造店
創業年:1790年(寛政2年)
営業時間:酒蔵ギャラリー「六斎」10:00 - 12:00/13:00 - 16:00
定休日:火曜日・年末年始(酒蔵ギャラリー「六斎」)
住所:山梨県南巨摩郡富士川町青柳町1202-1 [地図を見る]
公式サイト:春鶯囀の蔵元 萬屋醸造店