新潟県南西部(上越地方)の上越(じょうえつ)市は、1971年(昭和46年)に高田市(内陸城下町)と直江津市(北部沿岸港町)とが合併して発足し、2005年(平成17年)に周辺13町村を編入して、県内では村上市に次ぐ第2位の面積で新潟・長岡各市に次ぐ第3位の人口となりました。米(上越こしひかり)・枝豆・越の丸茄子・頸城(くびき)牛・ぴりっ子(しし唐辛子・神楽南蛮の辛味調味料)等の特産物・名物や笹寿司・おぼろ豆腐・里芋なます・芋茎酢漬・深鮫煮凝り等の郷土料理があります。高田城址公園の夜桜(日本三大夜桜)で知られる市内には老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店が点在しています。
江戸末期創業、仕出し屋として始まった料亭 宇喜世
高田駅から徒歩6分ほど、上越妙高駅から車で10分前後の場所にある 宇喜世 (うきよ) 。江戸期に魚の卸し業として始まり、江戸末期に初代となる甚之助氏が仕出し屋として創業されています。明治初期に割烹料亭・寺島屋へと転換されています。明治末には日進館と屋号を変え、西洋料理を導入した時期もあったそうですが、時代が早かったのかその後今の和食中心の料亭に戻されています。現在の屋号である宇喜世は、1933年(昭和8年)から。浮き世を捩った造語で宇宙を喜ぶ・世の中を喜ぶの意味が込められているようです。
宇喜世さんは2000年代に入り経営が悪化し存続の危機に直面しますが、地元企業からの出資で新たに株式会社を設立し存続します。その後上越市で複数の事業展開を行う大島グループ入りし、百年料亭ネットワークを結成する等精力的な活動をされています。
という、宇喜世さんの外観です。びっくりするぐらい大きくて豪華な建物です。国登録有形文化財でもあります。 別の角度からもどうぞ。
外にはランチメニューの看板がありました。当日も空きが入れるのがありがたかったです。
お一人様でも召し上がれます、の文字も。料亭は一人で入れないお店も多いので助かりますね。
敷地内に入り、少し歩くと玄関があります。風格あって緊張しますね。
店内に入ります。入った瞬間から異空間な感じがすごい。玄関入ったところですが、奥側は昔の写真等が飾られている資料館になっています。
今回はこちらの席煮ご案内頂きました。お庭が見渡せる最高の席です。
今回は席だけの予約だったので、ランチメニューは入ってから選びました。
メニューはリーズナブルなものから、しっかりとしたコースまでも様々です。
私は今回は特選のどぐろ御膳をお願いしました。
のどぐろ&甘エビの日本海の海の幸が食べられるの最高です。
もう1枚アップでどうぞ。
全体的に味付けが繊細で美味しかったです。
食べ終えたらデザートが。あん味堂さんのあんショコラというお菓子です。
オレンジの酸味とチョコの苦味、あんこの甘味のバランスが良い大人のデザートでした。
で、食べ終えた後に気がついたんですが、なんと館内の見学も可能なんです。そんな嬉しすぎることないでしょう、と申し込みました。
で、ここから館内案内コースです。写真は倍以上撮ってますが、一部だけどうぞ。説明は直接お話し聞いた方が良いと思うので割愛します。皇太子様が使われていたお部屋とかお見せ頂いたです。
宇喜世 (うきよ)さん、お料理も最高でしたが建物も最高で、その凄さに圧倒されっぱなしでした。この素晴らしい建物を残してくださった皆様に感謝です。残されただけでなく百年料亭ネットワークを立ち上げて、その文化を残し伝えていこうという活動も素晴らしいです。このサイトでも百年料亭タグで訪問先をまとめていますが、全ての料亭が本当に素晴らしいんです。みなさん是非訪問してください!
——-宇喜世 (うきよ) 基本情報———-
〇創業年 江戸末期創業 (1800年代)
〇営業時間
・11:30 – 14:00
・17:30 – 22:00
※月曜日 定休日
〇住所
新潟県上越市仲町3丁目5−4
(公式サイト)⇒ 宇喜世(うきよ) | 国登録有形文化財・料亭(新潟県上越市)