400年以上愛される平戸蔦屋のカスドース / 長崎 平戸 1502年創業 (文亀2年)

長崎県北西部の平戸市(ひらどし)は、平戸島・度島等の離島のみだった旧平戸市が九州本土にかけての周辺2町1村と2005年(平成17年)に合併して発足しました。1191年(建久2年)に留学先の南宋から帰着の僧・栄西が日本で初めて禅宗と緑茶とをもたらしました。平戸港には室町期にポルトガル貿易船が初入港、フランシスコ・ザビエルが来航、安土桃山期にイスパニア貿易船が入港し、中国・南蛮貿易の中心として栄えましたが、江戸初期の鎖国でオランダ商館は長崎出島に移転しイギリス商館は閉鎖されました。江戸時代は松浦氏の平戸藩で、城下町には平戸城(亀岡城)・平戸ザビエル記念教会等の諸教会等の名所旧跡が残っています。あご(飛魚)・ウチワ海老・平目・平戸牛等の特産品やスボ蒲鉾・牛蒡餅・カスドース・あごだしラーメン等の名物があり、市内には老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店が残っています。

1502年創業、元祖カスドースのお店として知られる 平戸蔦屋

平戸港のフェリー乗り場から徒歩6分ほどの場所にある 平戸蔦屋。1502年(文亀2年)に創業された、平戸藩松浦家の御用菓子司でもあった長崎で最も古い歴史を持つお菓子屋です。平戸は鎖国となるまで、南蛮貿易の中心地として栄え、その頃に伝わった南蛮菓子を今に伝えているのが平戸蔦屋さんとなります。

で、今回はカスドースをお取り寄せしました。ずっと食べたいと思ってました(カスドースとは?は後述)。箱からは高級感を感じられます。

パンフレットが封入されていました。カスドースとは、カステラを黄卵にくぐらせ、それを糖蜜で揚げるという、高級品であった砂糖と卵を大量に使ったお菓子です。殿様だけが食べられるお留め菓子で、明治以降には皇室献上銘菓となったお菓子なのです。いわゆる、南蛮菓子の一つとなります。

パンフレットの後半。松浦家35代当主であった松浦熈が作った当時のお菓子を絵図で紹介する百菓之図という図鑑があるのですが、カスドースや、同じく蔦屋の名物である牛蒡餅が掲載されているそうです。 ということで、こちらがカスドース。ポルトガル伝! 取り出したず。サイズ的には500円玉をより少し大きい程度の小ぶりサイズです。 取り出した図。見えますかね、この砂糖のじゃりじゃりした感じ。甘く見えると思うのですが、食べてみると想像を超えて甘いですw。

カスドース食べる機会がないままこの歳になってしいました。自粛期間中に食べたかったものをお取り寄せしようと思い立ち、思い切って買ってみたのでした。味はなんとも言えない甘さがあって、ちょっとビックリするぐらいなのですが、苦目のお茶やコーヒーにとってもよく合いました。味としては同じくシュガーロードのお菓子とされる1673年創業の福岡市にある松屋利右衛門さんの鶏卵素麺に近いかな、と感じました。同じ南蛮菓子で、原材料もほぼ同じなので当たり前かもしれませんが。なんというかこういうお菓子が何百年の時を超えて残っているって、ちょっとどころでない浪漫を感じますね。いつかお店も行きたいなぁ。

—— 平戸蔦屋 基本情報———-
〇創業年 1502年創業 / 文亀2年創業
〇営業時間
・9:00〜19:00
※年中無休
〇住所
長崎県平戸市木引田町431
(公式サイト)⇒ 創業文亀2年 元祖カスドースの平戸蔦屋

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