つじやのとうふかまぼこ(豆腐巻物)と三杯もち / 秋田 大仙市 1914年創業 (大正3年)

秋田県南東部の大仙(だいせん)市は、江戸時代は佐竹氏の久保田藩(秋田藩)領で、(雄物川河川敷運動公園で毎年8月開催の全国花火競技大会で知られる)大曲(おおまがり)市と仙北郡6町1村との2005年(平成17年)の合併で旧市名と旧郡名とから一字ずつの採字で命名されて発足しました、出羽山地から仙北平野・奥羽山脈の真昼山地に至る8地域の広範囲な市域であり、かつての旧一部町村の指定から今は市全域が過疎地域指定となっています。国内有数の穀倉地帯として知られ、米(あきたこまち・大曲花火米・古代米)・野菜(強首はくさい・土川じゅんさい・南外ほほえみかぼちゃ・モロヘイヤ・横沢曲りねぎ・南外ニラ・太田とんぶり等)・温室メロン・イワナ・ヤマメ・醤油・味噌・清酒・杜仲茶・いぶりがっこ・郷土菓子(三杯もち・とうふかまぼこ・とうふカステラ・俵あげまん・剣道の街もなか等)等の特産品・名物があり、市内には老舗の和洋菓子店・酒蔵などが複数残っています。

1914年創業、大曲で冠婚葬祭の口取りとして用いられるとうふかまぼこを製造・販売する つじや

大曲駅から徒歩6分ほどの場所にある 菓子司つじや。つじやさんのルーツは、江戸末期に初代・辻ジュン氏が六郷から大曲に移り住んだことにあります。大曲・仙北地区では、結婚式やお祝い事で豆腐巻物(現、つじやのとうふかまぼこの原型にあたるもの)を口取りとして振る舞う習慣が大正末期まで残っており、その際に腕を振るっていたのが、辻ジュン氏となります。そんな、辻ジュン氏から嫁のサヨ氏が味を引き継ぎ、サヨ氏の子で秋田市の和菓子店での修業を終えた弥太郎氏が妻のヤス氏と共に1914年(大正3年)に立ち上げたのが菓子司つじやさんとなります。

と、説明が長くなってしまいましたが、そんなつじやさんのとうふかまぼこです。とうふかまぼこは、トラ皮、のり皮、昆布皮、たまご皮の4種類があり、今回は左側がトラ皮、右側がのり皮の2種類を購入しています。 まずはトラ皮から。外側が卵焼きのようになっていて、それが虎皮に見えるからトラ皮と名付けられたようです。 切り分けるとこんな感じ。新しい和スイーツとすら思える美味しさ。 そしてこちらが、のり皮、です。五代受け継ぐ大曲の味、というのが良いですね。 切り分けた図です。真ん中の黒胡麻がアクセントになっていて、とても良い。

もう1つの銘菓、三杯もちもお取り寄せしました。 手に継ぐ味、とあります。三杯もちは元々大曲で食べられていた「みそ」とか「はなみそ」と呼ばれていたお菓子を改良したものになります。 パッケージ裏側です。原材料は、小豆・米粉・砂糖・小麦粉・食塩です。 こんな感じのお菓子です。餡子とういろうを混ぜたようなお菓子でした。もちもちしていて美味しい。

とうふかまぼこには、こんなパンフレットが封入されていました。

こちらとうふかまぼこのページ。百数十年に渡って伝わる味、というのが良いですね。

豆腐と練り物といえば、このサイトでも何度か紹介している鳥取県で食べられている豆腐ちくわ(豆腐と練り物で作られた竹輪状の食べ物)ぐらいしかないと思い込んでいたので、大曲に似た食べ物があるなんて知らずにびっくりしました。同じ日本海側で伝わった、とかあるのかしら。
ただ、鳥取のものはあくまでおかずだと思いますが、つじやさんのはどちらかというとお菓子寄りです。元々お菓子だったのか、つじやさんが改良する中でお菓子となったのかわかりませんが、興味深いのでどこかのタイミングで調べてみたいなぁ。

↓とうふかまぼこは、楽天でもお取り寄せできますよ。

 

 

———-菓子司つじや 基本情報———-
〇創業年 1914年創業 / 大正3年創業
〇営業時間
・9:30~18:00 (日・祝は17:30まで)
※1/1 定休日
〇住所
秋田県大仙市大曲中通町1-20
(公式サイト)⇒ 菓子司つじや(秋田県大仙市大曲)

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