三重県庁所在地で伊勢平野中心部の津市。“津”は船舶停泊場・船着き場の意味であり、後の津港(現・津松坂港)が古くは安濃津(あのうつ/あのつ/あののつ)と称した重要な良港であることから地名の由来となりました。かつて藤堂高虎が鰻食を奨励し全国から職人を集めた経緯で今も旧津市域には鰻屋が全国一多く、人口一人当たり鰻消費量も全国一です。特産品として“芸濃ずいき”があり、名古屋飯として知られる“天むす”の発祥地です。“ひつまぶし”・味噌かつ・苺大福にも発祥地を唱える店が市内にあり、近年は“津ぎょうざ”が地元名物となっていて、市内には老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店が点在しています。
1889年創業、日本の洋食と共にあるお店 レストラン東洋軒
三重会館前のバス停から徒歩4分ほど、津駅から車で7分前後の場所にある 東洋軒本店。1889年(明治22年)に伊藤耕之進氏が東京・三田に、肉料理専門店・今福を開業したことが創業となります。1897年(明治30年)に、伊藤博文等の勧めにより、今福の隣に西洋料理店東洋軒を開業し、精養軒や中央亭と共に、日本の洋食の草分け店として知られる店舗となりました。宮内庁での晩餐で料理を出されたり、天皇の料理番で有名な秋山徳蔵氏が3代目の料理長をつとめたりと、長い歴史の中で、
1928年(昭和3年)に三重県津市に、東京東洋軒出張所を開業し、その後津市に本店を移されました。元々お店があった東京には2014年再進出を果たされ、赤坂にお店があります(赤坂店については別途記事を書いています)。
という、東洋軒本店の外観です。めっちゃ歴史のある雰囲気が漂っています。
もう少し引きの図をどうぞ。立派な洋館ですね。大正時代に建てられた百五銀行伊賀上野支店に、東洋軒が入られた形です。
店内に入りました。入り口からしてクラシカル。華やかな感じがたまりません。
そしてその横にはレッドカーペットがひかれた階段が。今回は1Fに案内されましたが、いつか2Fにも伺いたいですね。
店内の様子です。レースのカーテンも雰囲気を高めてくれますね。
で、私の席です。テーブルセットされている姿見てまた感動。
席に着きます。いやぁ、楽しみですね。
今回はおすすめランチ&ブラックカレーへの変更をチョイスしました。
せっかくなのでメニューもチラ見。その長い歴史がきちんと説明されています。
一品料理の数々です。全部美味しそうすぎるので、いつかまた夜にも来たい。
コース料理も。時価と書かれたメニューを洋食店で見るのは初めてかも。
ということで、ランチメニューの始まりです。まずはオニオンスープから、と思いきや、この日オニオンスープが終わってしまっており、コーンスープが出てきました。コーンスープ好きとしては嬉しい誤算。
そして、メインの鶏胸肉のキエフ風カツレツが出てきました。
切ると中から香り高いハーブをまとったバターが流れ出します。火入も最高だし、めちゃくちゃ美味しいです。付け合わせのキャロットラペ的なものも最高でした。ランチコースのシーザーサラダはこんな感じです。
で、パンまたはサラダを、ハーフブラックカレーに変更をしました。昭和の初め頃、百五銀行の頭取から黒いカレーで作れないかと提案を受け誕生したのだそう。松阪牛の背脂・小麦・秘伝のスパイスを3週間ほど煮込み続け、出来上がるまで約1ヶ月かかるというカレー界に燦然と輝くすごいカレーなのです。
旨味がぎゅっと詰まったカレーで、本当に美味しいです。脳がとろけそうになります。このカレーは東京駅のグランスタ店でも食べられますよ。
そしてラストに小コーヒーです。
砂糖入れがあまりに素敵だったので縦写真もどうぞ。完璧な締めだよね。
お支払いに向かう道にはレトルトコーナーが。カレー買おうかめっちゃ迷いましたw。
今回はランチメニューをチョイスしたため、もう1つの名物で東洋軒発祥とされるクリームコロッケは食べられず、でした。他にも食べたいメニューが沢山あるので、今度は夜にゆっくり楽しみに行きたいです。2Fにも行って、建物ももっと楽しみたいなぁ、なんて。
——-レストラン東洋軒 基本情報———-
〇創業年 1889年創業 / 明治22年創業
〇営業時間
・11:00 – 14:30
・17:00 – 21:30
※月曜日 定休日
〇住所
三重県津市丸之内29−17
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