和歌山県中南部の田辺(たなべ)市は、1942年(昭和17年)に西牟婁(にしむろ)郡田辺町及び1村の合併で発足した旧市が、昭和中期5回の同郡近隣町村編入・市域一部分離を経て2005年(平成17年)に日高郡龍神村・西牟婁郡1町1村・東牟婁郡1町と合併し現市となり、県内第二の都市で近畿地方最大面積の市です。地名は旅人宿舎(むろづみ)納入稲を作る田部(たのべ)に由来するとされています。古湯の龍神温泉(島根県湯の川・群馬県川中と共に日本三大美人の湯)等の諸温泉・熊野本宮大社や熊野古道(熊野参詣道)等の名所旧跡や武蔵坊弁慶の故郷として知られています。紀州備長炭・木工品・茶・蜜柑・梅・梅加工品・柚子と加工品・すもも・芋茎・魚介類と加工品・卵・金山寺味噌等の特産品や銘菓・あがら丼(地元旬食材丼)・ひとはめ(海藻)寿司・めはり寿司等の名物・郷土食があり、市内には老舗の和菓子店(多数)・食品店・割烹旅館などが残っています。
1865年創業、南蛮渡来の製法が由来・南蛮焼(なんば焼)で知られる たな梅
紀伊田辺駅から徒歩10分ほど、和歌山駅から車で1時間10分前後の場所にある たな梅。1865年(慶応元年)に、鈴木まさ氏が蒲鉾作りを始めたことが創業です。店名のたな梅は、この地方での店の呼び名”たな”と、明治時代の店主・鈴木梅吉の梅から、鈴木梅吉の店の意味を込め、たな梅とされたそうです。
という、たな梅さんの外観です。中々趣のある店構えですね。
少しアップで。扇型の看板が可愛いですね。
店内に入りました。左の赤い箱の なんば焼(南蛮焼・南蠻焼とも書かれます)が名物です。南蛮由来の製法で作ったとされ、なんば焼の名が付きました。
この箱がまた、味があって可愛いのですよね。
なんば焼きの説明もありました。形が方形で、天部のきび色の丸型焼き付けが特徴なのです。
という、たな梅さんのなんば焼で色々購入しました。箱には天皇杯受領・農林水産大臣賞受領・紀州名産等の言葉が並んでいます。
箱の中はこんな感じ。なんば焼(小)・きくらげ入蒲鉾・ごぼう巻が入っています。前者2つはプレミア和歌山に選定されている商品です。
食べ方、切り方のインストラクションも入っていました。なんば焼は煮焼きすると風味が落ちるそうで、1cmほどに切ってそのまま食べることを推奨されています。
で、こちらがなんば焼(小)です。新鮮なエソやグチをすりみにした焼き蒲鉾とのこと。
ということで、1cmぐらいに切って食べました。プリプリな食感と旨味と甘みが素敵。美味しいな、これ。
そして、ごぼう巻です。こちらも煮焼きせず、そのまま食べることが推奨されています。
切り分けた図。外側はエソ・グチの魚皮と、蒲鉾とタレを使って造られています。この皮の食感含めて美味しい。これも良いなぁ。
そして、きくらげ入り蒲鉾です。長崎とかで見かけるタイプですね。和歌山にもあったのか。
こちらも切り分けて食べます。この扇形っぽい形の蒲鉾は、和歌山近辺に多い印象です。
最後にひら天を。揚げた蒲鉾ですね。当然のように美味い。
こちら、封入されていたパンフレットです。こちらは南蠻焼と書かれてますね。元々は江戸時代の文化文政期に伝わった製法とのこと。
こちらはごぼう巻のほうですね。
なんば焼も、ごぼう巻もどちらも初めて食べました。どちらも美味しかったですが、特にごぼう巻が他にない味でとても気に入りました(おせちで食べた何かに似ている気はします)。私練り物が大好きなんですけど、まだまだ知らない練り物が世の中に沢山あって、嬉しくなりました。また食べたい味です。
↓たな梅さんのなんば焼は楽天でも購入できますよ。
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—— たな梅本店 基本情報———-
〇創業年 1865年創業 / 慶応元年創業
〇営業時間
・8:30-18:30
※無休
〇住所
和歌山県田辺市福路町39
(公式サイト)⇒ 南蛮焼、牛蒡巻は、田辺市にある蒲鉾 たな梅本店へ