山形県の庄内地方南部で西側が日本海に面し、東北地方の市では最大面積である鶴岡市は、1924年（大正13年）に鶴岡町から市制執行した旧・鶴岡市が2005年（平成17年）に4町1村を合併して現市となりました。かつて鶴岡（古くは“鶴ケ岡”と称）は大宝寺と称していましたが、出羽山形藩初代藩主だった最上義光が大宝寺城に鶴が舞い降りた吉事に因み鶴ケ岡城と改称したとされ、酒田での東禅寺城から亀ヶ崎城への改称に対応した措置ともされています。古くから出羽三山（月山・羽黒山・湯殿山）が信仰・修行の地で、湯野浜・あつみ等の温泉地が開け、平安時代には現・新潟県境にある鼠ヶ関が勿来関・白河関と共に奥羽三関の一つとされる奥州玄関口であり、江戸時代は復元された藩校・致道館で知られる酒井氏の庄内藩城下町として栄え、加茂港は北前船が着く港町でした。全国有数の稲作地帯の庄内米（はえぬき等）・だだちゃ豆・民田茄子・温海蕪・食用菊・庄内柿・清酒・花卉類等の特産品や孟宗汁・むきそば・栃餅・えご辛子酢味噌・餡掛け料理・寒鱈どんがら汁・はたはたの田楽や湯上げ等の郷土料理が豊富で、市内には老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店などが残っています。