東京 九段南 寿司政(創業1861年)

江戸時代の九層の階段が明治以降に廃され昭和初期に急勾配が緩和された九段坂に由来する千代田区九段地区。明治維新以後に現在の千代田区九段北に創建された東京招魂社(後の靖国神社)への参拝者で栄え、現在の千代田区九段南は東京屈指の花街や多くの商店などで山の手有数の繁華街として賑わっていました。九段南には桜の名所である千鳥ヶ淵緑道が続き、東京メトロ及び都営地下鉄の九段下駅周辺には千代田区役所などの官民のオフィスビルや商店が建ち並び、その中に老舗の飲食店や和菓子店なども残っています。

1861年創業、150年の歴史ある九段下の老舗 寿司政

寿司政は1861年(文久元年)に日本橋で開業しました。初めは屋台から始まったそうです。文久は今から150年前は幕末辺り。出来事としては坂下門外の変とか生麦事件が起きた幕末混乱期。そう、日本人がまだチョンマゲでお侍さんがいた頃。いかに寿司政の歴史が長いか分かるかと思います。お侍さんも寿司政のお寿司を食べていたのでしょうか?そんなことを想像すると今ではちょっと不思議な感じがしますね。
そしてその後、歌舞伎小屋・三崎座で寿司を握り、関東大震災後に今の九段下に店を構えたそうです。

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江戸前鮨とは

寿司政は江戸前鮨の老舗です。では江戸前鮨とは一体何なのでしょうか?
江戸前鮨(江戸前寿司)は江戸前(今で言う東京湾)で獲れた新鮮な魚を握りにした江戸の郷土料理。または酢飯に四季折々の魚介の刺身を乗せ握りにした江戸風の握り寿司。
要は一般的に「寿司」という名前でイメージされた握り寿司は江戸前鮨のことを示します。
江戸で屋台など気軽に食べられていたファーストフードのような存在だった江戸前鮨。それが日本の他の地域や世界に広く伝わり今の「寿司」のスタイルになったのです。コハダや煮穴子のネタは江戸前ならではのネタのようです。

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文化人が愛した鮨

ここ寿司政は多くの芸術家や文人にファンが多くいるようで
食通の作家・山口瞳も行きつけのお店だったらしく「九段下寿司政のしんこを食べないと、私の夏が終わらない」と自著「行きつけの店」で述べられています。
残念ながら、私が来店したのは夏のとうに過ぎた冬でした。そこまで言わせる味ならばまた次の来る夏にしんこを食べにくるほかないでしょう。

歌舞伎役者のお弁当がはじまりのばらちらし

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目の前で職人さんが仕上げて頂いた宝箱のようなちらし寿司はとても彩り鮮やかで食べる前から満足してしまいました。
出来上がる前に職人さんの手元を眺めているだけでも老舗のお寿司屋さんに行った時の醍醐味だと思っております。
ちらし寿司は一度にいろいろな味が楽しめる贅沢品ですね。美味しいなぁ。言葉が出ません。本当に自分の味の感想に対するバリエーションの無さを恨みます。
実はこのばらちらしは昔は歌舞伎役者さんのお弁当として人気を博していたそう。お弁当にちらし寿司なんて贅沢な時代です。それほど今より寿司が気軽な食べ物だったのではないでしょうか?

150年前、幕末からあるお寿司屋さん。お侍さん、歌舞伎役者さんが食べたお寿司。
刀を差したお侍さんがお寿司を150年前も食べていたのだ思うと面白いものですね。そしてその後、歌舞伎役者さんに愛され、作家さんに愛され、今現在でも九段下で愛されている。その歴史の長さに言葉が出ません。そんな歴史が詰まった味を是非味わいに行って下さい。

ちなみに、岸朝子さんの東京5つ星の手土産で取り上げられたお店の一つとなります。

———-九段下 寿司政 基本情報———-
・創業年
1861年(文久元年)
・営業時間
[月~金]
11:30~14:00(L.O.13:30)
17:30~23:00(L.O.22:30)
[土、日、祝]
11:30~14:00(L.O.13:30)
17:00~21:00(L.O.20:30)
ランチ営業、夜10時以降入店可、日曜営業
・住所
東京都千代田区九段南1-4-4

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