不昧公御好みの”若草”を復活させた 彩雲堂 / 島根 松江 1874年創業 (明治7年)

島根県の県庁所在地 松江市は、1607年(慶長12年)に堀尾吉晴が大橋川北側の末次の地に築城した際に中国・杭州の西湖畔“淞江(ずんごう)”に似た風景として、宍道湖を西湖に見立て命名されました。江戸時代は徳川家康嫡男系統の結城松平氏 松江藩の城下町として栄えた街。宍道湖を始め松江城・武家屋敷等の旧跡や玉造温泉等の観光名所も数多く、宍道湖七珍(しんじこしっちん、鱸・大和蜆等7種の魚介類)や出雲蕎麦・あご野焼・津田蕪漬等の名物・郷土食や松江藩7代藩主松平治郷(茶人・不昧、ふまい)考案の“不昧公御好み“の茶菓子(三種は山川・若草・菜種の里)等の松江和菓子など豊かな食文化を持ち、老舗の飲食店・和菓子店・食品店が何軒も残っています。

1874年創業、不昧公御好みの”若草”を復活させた 彩雲堂

松江駅から徒歩8分ほどの場所にある 彩雲堂。1874年(明治7年)に、山口善右衛門氏によって創業された和菓子店です。和菓子の街として知られる松江は、茶道不昧流をおこした不昧公こと松江藩7代藩主松平治郷が残したお茶、そして和菓子の文化が脈々と受け継がれています。彩雲堂さんは明治中期に不昧公好である若草を再現復刻した和菓子店となります。

という彩雲堂さんの外観。瓢箪の窓は何かのモチーフなのかな。

正面入り口のショットはこちら。名門って雰囲気がありますね。

店内に入りました。お菓子がズラリとならんでいます。

ひと際スペースをとっているのは、上述した不昧公好の若草。鮮やかな緑色が奇麗!

もう少し寄りで。ほんと奇麗な色してますよねぇ。 お店の中にはお茶の道具も飾られていました。不昧公は不昧流の始祖ですからね。
ということで買ってきました、若草です。箱の裏表紙には、不昧公と若草の話が。若草は1月から4月の春のお茶席に好んで用いられたものだそう。
こちらが若草です。3個入りを購入しました。 アップの図。緑色が超鮮やか! 中身はこんな感じ。求肥に薄緑色の寒梅粉(かんばいこ)をまぶしたものです。寒梅粉=梅の粉と勝手に思い込んでいましたが、調べたところ、もち米を蒸して焼いたものを砕いた粉で、寒い梅の季節に作るから、寒梅粉というそう。若草にまぶされている寒梅粉は、若草色(薄緑色)に着色されています。

彩雲堂さんの若草、鮮やかな緑色が本当に奇麗で、食べるのに躊躇してしまうほど。なんというか和菓子の醍醐味ですね。若草はもっちもちの求肥と、程よい食感の若草色の寒梅粉のサクサク感のバランスがとっても良く、気持ちがほっこりするお菓子でした。若草は不昧公御好みの茶菓子の一つですが、他にも複数のお菓子が伝え残されています。少しずつ制覇していきたいなぁ。

———彩雲堂 基本情報———-
〇創業年 1874年創業 / 明治7年創業
〇営業時間
・ 9:00~18:00
※不定休
〇住所
島根県松江市天神町124
(公式サイト)⇒TOP | 創業明治7年 和菓子の彩雲堂

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