徳島県の北東端に位置する「鳴門市」は、四国の東玄関として淡路島と向かい合う、雄大な海峡のまちです。神戸淡路鳴門自動車道などを通じて本州と四国を結ぶ交通の要衝であり、風光明媚な瀬戸内海国立公園の景観を擁しています。「鳴門」という地名は、四国側の孫崎と淡路島側の門崎に挟まれた海峡を流れる激しい潮流の轟音から、「鳴る瀬戸」と呼ばれたことに由来します。圧倒的な海峡のパノラマ、四国遍路の深い祈り、国境を越えた第九の響き、そして激流が鍛え上げた美食が見事に重なり合う、四国を代表する歴史文化都市です。
江戸末期創業、塩田文化から生まれた鳴ちゅるうどんの老舗 大井食堂 (おおいしょくどう)
撫養大道バス停から徒歩2分ほど、JR鳴門駅から徒歩5分ほどの場所、鳴門市撫養町の路地裏に店を構える 大井食堂 。地元では「大井うどん」とも親しまれる老舗うどん店です。江戸末期創業とされ、現在は5代目が腕を振るっています。鳴門市は藩政時代から昭和後期まで広大な塩田地帯で、塩田で重労働をしていた人たちが、仕事の合間に手早く食べられる柔らかいうどんを好んだことが、鳴門うどんの背景にあるとされます。2000年代に徳島県の写真家・中野晃治氏が「鳴ちゅる」と命名し、鳴門うどんは「鳴ちゅるうどん」として全国に知られるようになりました。大井食堂のうどんは、毎朝4時から仕込む手打ちの細めちぢれ麺に、カツオだしの黄金色のつゆ、地元の老舗店・住谷豆腐店の刻み揚げ、八木蒲鉾の竹輪など鳴門の老舗食材を合わせた素朴な一杯が自慢です。大量生産せず、その日のうちに売り切るスタイルで、昼過ぎには暖簾が下がることもあります。
という、大井食堂さんの外観です。なかなか渋いファサードです。ちなみにすぐ隣が駐車場です。

店内に入りました。メニューはシンプルで、うどん大・小の2種類のサイズに、ノーマル・ちくわ入り・たまご入りの3種類があります。
店内の雰囲気はレトロ一色で最高に良い。
今回は卵入りの小をオーダーしました。小でも一玉以上入っているので、全然小じゃないです。
アップでどうぞ。お隣の香川の讃岐うどんと違い、めちゃくちゃ柔らかいのが特徴です。だしの優しさと相まって、どこまでも優しい味がします。最高だ。
塩田労働者の食事から生まれた、細めで柔らかい鳴ちゅるうどん、今回初めて食べました。箸でつかむと切れてしまうほど柔らかい麺に、カツオだしの黄金色のつゆがよく絡む素朴で優しい味わいです。開店と同時に次々と人がやってくる人気店で、売り切れ終了となるため早め訪問がお勧めです。5代目の手打ちの仕事、また堪能したいので必ず再訪すると思います!