新潟県南西部(上越地方)の上越(じょうえつ)市は、1971年(昭和46年)に高田市(内陸城下町)と直江津市(北部沿岸港町)とが合併して発足し、2005年(平成17年)に周辺13町村を編入して、県内では村上市に次ぐ第2位の面積で新潟・長岡各市に次ぐ第3位の人口となりました。米(上越こしひかり)・枝豆・越の丸茄子・頸城(くびき)牛・ぴりっ子(しし唐辛子・神楽南蛮の辛味調味料)等の特産物・名物や笹寿司・おぼろ豆腐・里芋なます・芋茎酢漬・深鮫煮凝り等の郷土料理があります。高田城址公園の夜桜(日本三大夜桜)で知られる市内には老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店が点在しています。
1592年創業、天皇も召し上がった飴製品作りから歴史が始まった 大杉屋惣兵衛
高田駅から徒歩5分ほど、上越妙高駅から車で13分前後の場所にある 大杉屋惣兵衛。1592年(文禄元年)、初代となる大杉屋九郎右エ門氏がもち米と麦から水飴作りを始めたのが創業です。この水飴を固めた翁飴は歴代高田城主に愛され、天皇陛下越路ご来遊の際にお買い上げになられたという歴史ある商品です。残念ながら翁飴等の飴商品は2024年1月に製造・販売を止められてしまい、現在は羊羹等の餡関係の商品を中心にご商売をされています。幸運なことに翁飴を生産を終えられる前に購入していたので、今回はそちらのレポートになります。
という、大杉屋惣兵衛さんの本店が木曜日休みと知らずに訪問してしまいました。が、歩いて10分ほどの場所にある大杉屋惣兵衛お馬出し店は木曜日空いているので、本店はシャッター写真だけでごめんなさい。
で、こちらが大杉屋惣兵衛お馬出し店です。閉店間際にお伺いしたので少し暗い写真で済みません。 お馬出し店、という名称なのは「お馬出しの辻」と呼ばれる場所にあるお店なのでお馬出し店です。お馬出しとは、城の入り口や城門を守るために設けた空間のことなのだそう。馬を出していた場所ではないのね(城下町にある地名で、馬を出していた場所や馬を出す姿を隠すための場所等の由来があるケースもある模様)。
店内に入りました。ありし日の翁飴です。
上越産の葡萄とワインを使った飴も売っていました。
ということで、買ったものその1、葡萄浪漫です。
使っている葡萄は越後上越産の葡萄マスカット・ベリーAと、岩の原葡萄園のワインを使っているそう。
個包装になっております。
開けるとこんな感じ。もっちり飴の中に、濃厚な葡萄の味が閉じ込められていて、めちゃくちゃ美味しかったです。
そして、翁飴です。
その当時の封入物です。
粟飴・翁飴の由来が書かれた説明紙です。飴自体は始皇帝で有名な秦王朝の時代にあり、その後日本に伝えられた説があるそう。大杉屋九郎右エ門が飴を作ったのは文禄年間と伝えられているそう。
で、箱の中身です。
一つ取り出した図です。
パッケージ裏側はこんな感じ。
開けると翁飴が出てきます。寒天で固められていてプルプルしております。
書くタイミングが遅くなったため、残念ながら創業時からの銘菓であった翁飴は生産を中止されてしまいました。設備の老朽化と住民の高齢化によって、とのことです。これだけ歴史あるお菓子でも生産取りやめをすることがありうるので、食べたいと思った歴史的銘菓はできる限り早めに食べておくべきだと感じました。
——-大杉屋惣兵衛 基本情報———-
〇創業年 1592年創業 / 文禄元年創業
〇営業時間
・9:00 – 17:00
※木曜・日曜 定休日
〇住所
新潟県上越市本町5丁目3−31
(公式サイト)⇒ 大杉屋惣兵衛 / 創業1592年(文禄元年)の老舗 越後高田の大あめや