港区麻布十番は、江戸時代の古川(渋谷川下流)改修工事の工区番号に因むなど地名の由来には諸説があります。空海開基と伝わり都内では浅草寺・深大寺に次ぐ古刹で著名人の墓も多い麻布山善福寺の門前町として発展し、明治以降は近隣の花街と共に東京山の手では神楽坂と並ぶ商店街・繁華街として栄えてきました。周辺には外国公館も多数存在し外国人も多く、商店街は国際的な雰囲気と昔ながらの庶民的な街並みとが混在して賑わい、老舗の飲食店や和菓子店などが何軒か残っています。
1909年創業、天然たい焼きの浪花家総本店
突然ですが、たい焼きには天然物と養殖物の区分があることはご存知ですか?たい焼きは一度に幾つも焼ける屋台等で見かける焼型と、一匹毎に焼き上げる昔ながらの小さな焼型の2種類あります。良く見かける複数焼けるタイプが「養殖物」、一つ一つ焼き上げるタイプが「天然物」と呼ばれています。
今回お伺いした浪花家総本店さんは、たい焼き発祥の店として知られる(諸説あり)、天然物のたい焼き屋さんです。東京三大たい焼きの一つとしても知られています(残りは、人形町の柳屋さん、四谷のわかばさんです)。
こちらが浪花屋さんの外観。渋い!ですよね。ちなみに店名の由来は、初代・神戸清次郎が浪花(現大阪市)の出身だったからだそうです。
店に入ると職人さんが焼いている姿を見ることが出来ます。これ見ると食べたくて堪らなくなりますね。
焼のシーンを横から。天然物は一つ一つ火加減を調整しながら焼く必要があるため、より手間がかかります。が、その分焼き加減がしっかりするため、ばらつきが少なくなります(職人さんがしっかりしている前提が必要ですが)。
浪花屋さんには2階席もありまして、ドリンクをオーダーする必要はありますが、さほど並ばずに購入することができます。今回は緑茶セットをオーダーしました。
※1階で購入する場合は事前に予約が必要となります。
そしてこちらがたい焼き。顔つきと艶がヤバい。
浪花屋さんのたい焼きを食べる前までは、たい焼きに違いなんてないだろうと思っていたのですが、パリパリとモチモチが同居した皮と、ずっしり詰まった餡子のハーモニーに一発でやられてしまいました。このたい焼きは本当にすごいです。たい焼きに違いなんてないでしょ?と思う人にこそ食べてもらいたいなと思います。
ちなみにたい焼きは、初代の神戸さんが「めでたい」にちなんで、鯛の型で焼くことを思いついたことから生まれた、と言われています。何かのお目出度い席に、お土産として「元祖たいやき」なんていかがでしょうか?
ちなみに、岸朝子さんの東京5つ星の手土産で取り上げられたお店の一つとなります。
———浪花家総本店 基本情報———-
〇創業年 明治42年創業 / 1909年創業
〇営業時間
10:00~19:00(但し店内飲食は11:00~19:00)
※火曜日・第三水曜日 定休日
〇住所
東京都港区麻布十番1-8-14
(全国和菓子協会 サイト)⇒浪花屋総本店
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