新宿中村屋Mannaの純印度式カリーと、元祖クリームパン / 東京 新宿 1901年創業 (明治34年)

江戸時代初期、信州高遠藩内藤家の下屋敷に甲州街道の新・宿場町として開かれて栄えた四谷内藤新宿(江戸四宿の一つ)に由来する新宿区新宿は、関東大震災後の東京西郊外の人口急増や昭和の大戦後の商業地復興に伴い発展してきました。渋谷・池袋と並ぶ三大副都心の一つとして、利用者数が世界一のターミナルであるJR・各私鉄の新宿駅東口方面が有数の繁華街・ショッピング街として賑わい、新宿3丁目などを中心に老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店などが何軒も残っています。

1901年創業、日本のカレー史とパン史に名を刻む老舗店 新宿中村屋

新宿駅から徒歩3分ほどの場所にある新宿中村屋。1901年(明治34年)に、相馬愛蔵氏と良氏(筆名・黒光)の夫妻が、東京・本郷の東京大学正門前のパン屋”中村屋”を買い取りパン屋を立ち上げたことで、その歴史が始まりました。
始まりがパン屋であった中村屋さんが、歴史にその名を残した最初のタイミングは、創業から3年後の1904年(明治37年)のこと。今や日本中どこでも見つけることが出来る、クリームパンを発売されます。その5年後、1909年(明治42年)に現在本店のある新宿に支店を立ち上げられ、その後新宿店を本店とされました。
(本郷にあった中村屋さんの跡地で、喫茶店こころさんが営業されています)

という新宿中村屋さんの外観。自社ビルになっており、自社レストランとテナントが入居されています。中村屋さんの店舗は、8Fレストラン Granna、3F 中村屋サロン美術館、B1F スイーツ&デリカ Bonna、B2F レストラン&カフェ Mannaがあります。今回はB2FのMannaさんへお伺いです。

Mannaさんは予約を取らない形式のお店で、いつも行列が絶えないです。といってもそこそこ回転が速いので、この日も30分待たずには入れました。

で、Mannaさんのメニューです。

新宿中村屋さんといえば、カレーも有名ですが、中村屋のカレー誕生には、大正初期にインド独立運動家ラス・ビハリ・ボース氏が日本に亡命をしたことがきっかけとなっています。インドは当時イギリス領であり、日本とイギリスは同盟関係にあったため、イギリスは日本に対してボース氏の日本国外追放を要求します。
しかし、社会活動家の人達とも親交が深かった店主 相馬愛蔵氏が、社会的に危うくなるリスクを覚悟しつつもボース氏を中村屋に匿うことになります。

ボーズ氏の亡命前後の明治〜大正時代当時は、日本のカレーといえば具材は少なめでサラサラのカレールー。安価でもご飯が沢山進むイギリス海軍カレーが主流でした。カレーに対して特に造詣が深かったラス・ビハリ・ボースは、この当時の日本のカレー事情に憤慨します。ちょうどその頃、店主である相馬愛蔵氏には喫茶店をはじめる構想がありました。そこでボーズ氏が先導にたち、今も続く新宿中村屋の名物である純印度式カリーを名物とした喫茶店を始めることとなったのです。

と、途中の説明が長くなりましたが、そんな純印度式カリーを食べに来たのです。が、中村屋さんは他のカレーも美味しいので悩むのですよね、という人向けのカレーが2種類選べるセットがこちら。我々の考え、見透かされてますねw。で、今回はこちらのハーフ&ハーフセットで純印度式カリーとコールマンカリーをオーダーしました。

まずはセットのオードブルが出てきます。カレーへの期待値を見事に繋いでくれる美味しい子たちです。

オードブルが終わるとカレーセットが入場します。

チーズもかけられる!

そしてチャツネも。

いやー、テンションあがるわー、とワクワクしていたところ、カレーが到着!純印度式カリーとコールマンカリーです。お肉は創業当時からチキンなのです。

ご飯にかけた図。このね、チキンがほろっほろで美味いのですよ。欧風カレーっぽく見えるけれど、スパイスの味と香りが楽しめるインドカレーっぽくもある。欧風とインド風のカレー、そのいいとこどりをしたような味が純印度式カリー。形容できないぐらい美味いw。

純印度式カリーを食べると、「これを超えるカレーなんて世の中に存在していないのではないか」と思っちゃうんですね。で、そんな気持ちで次のカレーに進むわけです。こちらがコールマンカリー。こちらのほうがあっさりで、少し欧風よりな感じ。うむ、めっちゃ美味しい。結局どっちも美味いから、ハーフ&ハーフを選んだ自分をほめる結果となりますね。

〆のドリンクにはチャイをオーダー。いやー、満足感の高いディナーとなりました!

別タイミングに元祖クリームパンを買いに来ました。明治37年は、日本のおいしい歴史の始まり、とあるのは、明治37年=1904年に日本初となるクリームパンを新宿中村屋さんが発売したからです。

購入してきました。創業者の相馬愛蔵・黒光夫妻がシュークリームの美味しさに感動し、あんぱんの餡の代わりにクリームを入れたら?という発想から作り出されたものです。ちなみに元々は柏餅のような形をしていて、グローブ型になったのは戦後のことだそう。

中身です。バニラの香りが上品でめっちゃ美味しい。元祖の味、素敵だなぁ。

私はカレーが大好きなので、新宿に行くとつい足が中村屋さんのほうに向いてしまいます。クリームパンの元祖であることは知っていたものの、いつもカレーで満足して買い忘れたり、行っても売り切れだったりで購入したのは今回が初めてです(夕方遅めは売り切れの危険性あり)。中村屋さんは他にも中華まんや、カレーパンといった名物もあるので、また行って掲載したいと思います。何度訪問しても楽しい老舗店って最高ですね!

—— 新宿中村屋 基本情報———-
〇創業年 1901年創業 / 明治34年創業

※以下はMannaの営業時間です
〇営業時間
11:00~22:00
(金曜日・土曜日・祝前日 11:00~22:30)
※1月1日定休日
〇住所
東京都新宿区新宿3丁目26番13号
(公式サイト)⇒ 新宿中村屋

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