東京 両国 ももんじや(1718年創業)

江戸時代初期に隅田川に架橋された大橋は、旧武蔵国と旧下総国とを結ぶことから両国橋と称されるようになりました。当時の両国は隅田川西側(現・中央区東日本橋)を多くは指し、東側の墨田区両国は向両国(むこうりょうごく)と称されていました。鼠小僧次郎吉など著名人の墓があり、近年はペット供養でも知られる両国回向院や赤穂浪士討入の吉良邸跡の区立本所松坂町公園等の名所旧跡が所在しています。隣接の墨田区横網に建つ両国国技館や都立江戸東京博物館が多くの人を集めるこの町にも、老舗の飲食店が残っています。

1718年創業、猪肉をはじめとしたジビエ料理の老舗中の老舗

ももんじゃとは、「百獣」を表す言葉。ここ、ももんじゃは都内と言わず全国屈指のジビエ料理の老舗中の老舗。

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中でも江戸時代の創業当初から続く猪鍋はお店のシンボルとして特に有名。
お店の店頭には大きな猪のモニュメントが掲げられています。お店は隅田川の川沿いすぐ近く。
河川沿いの澄んだ風に乗って鍋の香りが漂ってきます。

-元々は漢方薬局が初めたスタミナ料理店

猪鍋で有名なももんじゃですが、意外と知られていないのが元々は漢方薬局だったということ。
江戸時代は獣肉が漢方薬の材料として取引されていました。そんな中で猪肉が美味いという噂が流れ、それを機に料理屋に転身したことが始まりだそうです。現在では山間部の地方等では一般的に食べられていますが、都心部でここまで本格的で上質な猪肉が食べられるのはここだけでしょう。
漢方薬の材料にされていたというだけあって、滋養強壮や疲労回復、冷え性に効果覿面といわれています。

-ジビエ料理のイメージを覆すクセのなさ。歴史情緒溢れる健康料理

今回注文したのは看板料理である猪鍋。

こちらももんじゃの目玉料理である猪鍋はとにかく長時間お肉がほろほろになるまで煮込む、いわゆる大和煮のスタイル。
獣肉の臭みを消す手法として知られている料理法で、江戸時代当時からこの手法は変わっていないそうです。大和煮は元々発祥は明治時代とされていますが、それ以前から巷では知られていたそうです。
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注文した際にお店のスタッフからも説明がありますが座席の目の前でとにかく強火で煮込まれるので、「これって焦げてしまわないかな…?」と思っても、安心して下さいね。美味しそうな香りが漂ってきますが、それはとにかく我慢…!

じっくりとろとろになるまで、20分位かけて煮込みましょう。早く食べたい…!と思っている矢先にサイドメニューが彩ってくれます。

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右側は鹿肉の刺身。深々とした鮮やかな紅い鹿肉。左側は鹿肉の唐揚げ。
両方共に獣肉とは思えないほどクセがなく柔らかくて食べやすいです。

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そしてこちらは熊肉のお味噌汁。濃厚な赤味噌と熊肉で作られています。こちらに関しては他の料理よりも若干クセがあるのですが、そのクセがフックになってとっても美味しいです。それでもクセが気になる方は山椒を入れると丁度良く召し上がることができると思います。

-早く食べたい…!でもとにかく我慢。トロトロになるまで待ちましょう。

そうそうしているうちに遂に猪鍋が食べ頃に。スタッフの方が頃合いを観て鍋の手入れをしにきてくれます。
とにかく煮込むので、豆腐やお野菜もトロトロに。お好みでお野菜だけは先に召し上がっても良いと思います。

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スタッフの方が煮込まれた猪肉と割下と味噌から出た旨味が鍋全体に行き渡るように、よくかき混ぜてくれます。

さて、ここまで来てようやく召し上がり時です。猪肉を召し上がったことのある方の中には、「クセがあって苦手」という方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、そのイメージを簡単に覆されるほどクセがなく美味しいのです!牛肉とも違う、適度にゼラチン質が乗った猪肉。一発で心を掴まれます。

こちらの猪肉鍋は、兵庫県の山奥で狩猟された猪が使われています。約300年の歴史が刻まれたこの猪鍋。
皆様にもぜひ一度召し上がっていただきたいです。

———-ももんじや 基本情報———-
・創業年
・1718年(享保3年)
・営業時間
昼営業【火曜~土曜】
11:30~14:30(L.O.14:00)
夜営業【月曜~土曜】
17:00~21:00(L.O.20:45)
月曜が祝日の場合ランチタイム営業で翌火曜ランチタイム休業。
大相撲が東京場所で開催の場合、日曜営業します。
12月は日曜夜営業のみ致します。
・住所
・東京都墨田区両国1-10-2

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