北陸唯一の種麹屋・石黒種麹店の麹職人のこだわり味噌 / 富山 南砺市 1895年創業 (明治28年)

富山県西部(呉西:呉羽山より西の地域)で砺波地区の南砺(なんと)市は、江戸時代は加賀藩領で、2004年(平成16年)に東礪波郡の福野・井波町・城端町・平村・上平村・利賀村・井口村と西礪波郡の福光町との合併で発足し、古来の砺波郡南部であることが市名由来です。井波彫刻・五箇山和紙等の伝統産業があり、諸製造業の工場が立地していて川田テクノロジー・大建工業(創業地)の本店が所在し、木製バット(福光地区)は国産の半数を製造しています。茗荷・舞茸・いわな・城端牛・なんとポーク・種麹・味噌・清酒・五箇山豆腐・利賀豆腐・干し柿・米菓(しろえびせんべい等)・栃餅・利賀蕎麦・かぶら寿司等の特産品・郷土食があり、市内には老舗の飲食店・和菓子店・和洋菓子店・製菓会社・食品店・酒蔵・割烹旅館などが残っています。

1895年創業、北陸唯一の種麹屋である 石黒種麹店

福光駅から徒歩10分ほど、新高岡駅から車で35分前後の場所にある 石黒種麹店。江戸文政期に麹を作りはじめ、1895年(明治28年)から種麹屋を開業されています。種麹屋、という存在をお伺いするまで私も存じ上げなかったのですが、お味噌屋さんや各種発酵を扱う食品関係の方々に対して、その元となる麹をつくる企業となります。日本に10数軒しか存在しておらず、北陸では石黒種麹店が唯一の種麹屋さんとなるそうです。現代的な言葉に直すとB2B業態で、お味噌屋さん等に麹を卸されるのがメインの事業となり、一部小売で麹とお味噌を販売されている、という形です。
※私は地域ものがたるアンバサダーの富山アンバサダーに選んで頂いており、石黒種麹店さんへ6月に訪問しております。

という、石黒種麹店の外観です。古き良き日本の建物って感じがしてとても良い。

こちら、入り口横に飾られていた大きなのぼり的なもの。大きな麹の文字がカッコ良い。

店内に入りました。こうじも販売されています。私と入れ違いだったお客さんは麹を買われていたのですが、ご主人にお伺いしたところ、富山では自宅でお味噌を仕込む方も多く、そのために買われたのでは、とのことでした。

販売されている麹はこんな形でお渡しとのことです。みたことない量だ。

麹の作り方は昔ながらの方法で、湿度100%に近い環境の室(むろ)で培養させているそうです。湿度100%なんて環境があるのね、凄い。ちなみに麹は一子相伝で、私は次継がれる予定の跡継ぎの方にお話を伺ったのですが、まだ全てを現当主のお父様から引き継がれていない、とのことでした。それぐらい重要な製法とのこと。

培養している麹を見せて頂けました。培養の様子も動画で見せて頂いたのですが、米に麹を振りかけるとニョキニョキ菌が生えてきていて神秘的でした。凄い…!

写真で見せて頂いた麹菌のアップ。白くて凄く綺麗…!

店舗では、麹だけでなくお味噌も販売されていました。

左から蔵出し味噌、極上味噌、麹職人のこだわり味噌となります。右へ行くほど麹の量が多くなり塩分が低くなります。一般家庭で使うなら、左二つのどちらかが、料亭等で使われるのが右だそうです。ちなみに右はNHKきょうの料理で有名な土井 善晴先生愛用のお味噌とのこと。

ということで、不相応と知りつつこだわり味噌を買ってきました。

こちら裏側です。

蓋を開けた図。たしかに麹たっぷり。

こちらのお味噌で作った料理もあるのですが、流石に見せるに耐えないので、写真は割愛しますw。お味噌汁には向かないかも、とのお話でしたが、野菜を入れると確かに味噌の味が弱くなってしまった気がするのですが、豆腐だけのお味噌汁にものすごく合って、自分市場一番美味しいお味噌汁が作れました。このお味噌凄い…。まだまだ楽しめる量があるので、色々な味噌の使い方にチャレンジしてみたいと思います。ちなみに、美味しんぼ84巻のかぶらずし編に出てきているお店です!

—— 石黒種麹店 基本情報———-
〇創業年 1895年創業 / 明治28年創業
〇営業時間
・月〜金 /  9:00~18:00
・土・日・祝 / 10:00~17:00
※第1、3、5日曜 定休日
〇住所
富山県南砺市福光新町54番地
(公式サイト)⇒ 石黒種麹店

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