ブッチングハウスの味を今に伝える土井ハム / 長崎 大村市 1919年の味にルーツ(大正8年)

長崎県中央部で大村湾に臨む大村市は、戦前・戦中は海軍航空隊・航空廠の軍都として発展し、現在はハイテク産業なども盛んで、世界初の海上空港である長崎空港を擁する県の玄関口。江戸時代は大村藩で、転封もなく代々の領主だった大村氏は、900年代前後に当地に定住した藤原氏遠縁を祖として当地を長らく治めていたと伝わります。苺・温州蜜柑・牡蠣・なまこ・さざえ・雲丹・蝦蛄等の特産品や塩茹で落花生・へこはずしおこし・珈琲豆(寿古コーヒー)・ドイツ式ハム・大村寿司・にごみ(各種野菜煮込み)等の名物・郷土料理があり、市内には老舗店が残っています。

1919年に伝えられたドイツハムを今に伝える 土井ハム

雄ケ原のバス停から徒歩5分、大村駅から車で10分程度の場所にある 土井ハム。1957年(昭和32年)に兵庫県明石市で、酪農牧場である土井牧場を創業されます。その後、現在地である長崎県大村市に拠点を移されます。
土井ハムさんがハム作りを始めたきっかけは、栗原安太郎氏との出会いから。栗原安太郎氏は、第一次世界大戦時に日本の捕虜となり、その後日本にドイツハム作りを伝えたカール・ブッチングハウス氏の妻の甥に当る人物。ブッチングハウス氏は1914年に習志野収容所に収容され、1910年代後半以降から日本にハム作りを伝えられたそうです。土井ハムさんは、ブッチングハウス氏から栗原安太郎氏に伝えられた技術を伝承し、ハム作りをされています。
(年代の話は土井ハムさんのサイト内でも揺れがあるので、下部に注釈を載せています。)

という土井ハムさんからセットを購入。ビールに合いそうな子がたくさんいますw。 賞味期限にちかいサービス品もついてました。嬉しい! まずはソーセージ系を焼きました。一部別会社のが含まれていて御免なさい。 こちらは鶏ハムとロースハム。どっちも程よい塩気が最高!

カール・ブッチングハウス氏が伝えたドイツハムの製法は、様々な形で残っています。収容されていた習志野には習志野ソーセージという形でブランド化を近年頑張られておりますし、ブッチングハウス氏が目黒に工場を持っていた際のお弟子さんである矢島八郎氏が始めたお店は、神奈川県茅ヶ崎市にてハム工房ジローとして今も営業を続けられていらっしゃいます。伝えられた技術が脈々と受け継がれているって何だかロマンを感じますね!

(ドイツハムが伝わった時期について)土井ハムさんのサイトには1919年日本に伝えられた、と書かれている箇所と、大正10年(1921年)にブッチングハウス氏より伝えられたという二つの表記があります。またWikipediaによるとブッチングハウス氏は1918年には習志野でハム作りを実演した、という表記もあります。日本に伝えた=ブッチングハウス氏と別であるという解釈の可能性もありますが、詳細は不明です。

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——–土井ハム 基本情報———-
〇創業年 1919年の味にルーツ(大正8年)
〇営業時間
・9:00-17:00
※水曜日 定休日
〇住所
長崎県大村市雄ヶ原町1767-33
(公式ページ)⇒手作りハムの土井ハムです。

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